こんにちはマリモです!
現在、空き事務所だった物件をDIYで内装リフォームしています。
今回のテーマはドア。
内装DIY記事はこちら。
ドアをリメイクする
内装DIYを始めた当初から気になっていたダサいドア。
DIYでリメイクしてみたら、想像以上にカッコ良く仕上がった。
今回はドアのリメイク方法について徹底解説していきます。
ビフォー・アフター
まずは、ビフォーアフターを見てほしい。
かなりイメチェンしました。
悪い意味でシンプルなドアが、ビンテージドアに生まれ変わった!(自画自賛)
リメイクにかかった金額
今回のドアリメイクで購入したものリスト。
品名 | 詳細 | 金額 |
---|---|---|
木工用ボンド | コニシ 木工用速乾 750g | ¥739 |
モールディング材 | パインモール材 1850mm × 8 | ¥5,504 |
合板 | カット合板 600×900 | ¥2,580 |
ベニア | カットシナベニア 600×900 | ¥3,580 |
中空ポリカ | ツインカーボ クリアフロスト 450mm×600mm 4.5mm厚 | ¥1,580 |
プライマー | ミッチャクロン スプレー 420ml | ¥1,774 |
ドア塗装用ペンキ | グラフィティーペイント ドルフィンドリーム 1L | ¥3,630 |
ラッカースプレー ゴールド | 染めQ メッキ感覚 ゴールド | ¥1,878 |
ラッカースプレー クリア | SOFT99 ボデーペン クリアー | ¥952 |
アイアンペイント3色 | ターナー アイアンペイント 200ml ・アンティークゴールド ・アイアンブラウン ・ブロンズグリーン | ¥3,498 |
合計 | ¥25,715 |
(注)元々持っていたもの(白ペンキ、ハケ、ローラーなど)は計算に入れていない。
基本プラン:ざっくり2万5千円!
節約プランもあり。
節約アイデア
- 合板は特価コーナーでゲットする。
- ホムセンの特価コーナーでは誰かがカットした残り(端材)を数百円で売っている。
- 安いペンキを使う
- ペンキは白だと20kg6千円くらいで購入できる。
- モールディングを節約
- モールディングが結構高いので、量を減らすか、樹脂製にすれば安くなる。
- ドアノブはそのまま使う。
- ドアノブ塗装の塗料が高くついた。(¥6,328) ドアノブリメイクを省けば、大幅にコストダウン可。
節約プランだと、1万〜1万5千円。
作業の流れ
では早速、リメイク手順を解説していきます。
全体の流れは、ざっくりこんな感じ。
作業の流れ
- デザイン決め
- 寸法決め
- サンディング(表面研磨)
- デザイン最終確認
- カット
- 装飾
- 塗装
- ドアノブリメイク
ひとつずつ見ていきましょう。
1、デザインを決める
正確には、「デザイン決め」というより「お手本さがし」です。
カッコいいと思うドアは、デザインがしっかりと計算されています。
素人がドアをゼロからデザインしたら。。きっと「親戚のおじさんが作った家具」の様な、得体のしれない恐怖をまとった物体が誕生します。。きっと家族も怖がります。
デザインはさっさと諦めて、「これだ!」と思うお手本を探しましょう。
そして、お手本が決まったら、潔くパクる!
お手本はWebやPinterestから探しましょう。
「扉 ビンテージ」「扉 イギリス アンティーク」
とかで検索するとザクザク出てくるよ。
お手本選びのポイント
お手本選びには、いくつか注意点があります。
1、窓は格子の無いものを
窓が格子で仕切られていますね。こういうのはやめときましょう。
格子をつけると手間と難易度が跳ね上がります。格子付きは、上達してからにしましょう。
2、 角度がついたもの、曲線が入ったものは避ける
こういうのも難しいでしょう。きっと途中で辞めたくなります。
3、装飾が多いものは避ける
モールディングが多いものも、おすすめしません。高くつくからです。
モールディングは、ほとんどの場合四角く囲むので、一箇所ごとに4本必要になります。しかもドア両面なので8本です!
例えば、600mm×300mmの四角形をモールディングで囲うと3600mm必要になり、あっという間に材料費が¥2,000増えてしまいます。当初、細かい四角形の装飾がズラッと並んだドアを作ろうとしたのですが、モールディング代を計算して震えました。。
良いお手本の例
以上を踏まえて、良いお手本を紹介します。
こういうのを選ぶと後が楽になります。
いずれも、
- 「デザインが直線のみで構成されている」
- 「窓に格子がついていない」
- 「モールディングが多すぎない」
の条件を満たしています。
中央のものはモールディングが分厚いので、もうちょっと少なくアレンジすればOKでしょう。
2、寸法を決める
お手本が決まったら、
お手本ドアのデザイン比率を実物のドア(自分が作るドア)の寸法に落とし込んでいきます。
最初はちょっと分かりにくいかも知れません。
お手本ドアと実物ドアはサイズも縦横比も違います。
そのため、両者の縦と横を個別に比べて、「縦の比率」、「横の比率」を出しておく必要があるのです。
私は以下の流れで計算しました。
寸法計算の流れ
- お手本ドアを計測
- ドアのデザイン比率が分かればOKです。
- 実物ドアを実測
- リメイクするドアを実際にメジャーで測ります。
- 「縦の比率」と「横の比率」を出す
- お手本ドアと実物ドアを比較して「縦の比率」と「横の比率」を出します。
- 実際のドアの図面を作成
- お手本ドアに配置されているパーツの長さに、「縦の比率」と「横の比率」を掛けて、実際に作るドアパーツのサイズを出し、図面を作ります。
では実際にやってみましょう。
お手本ドアを計測する
縦横の比率さえ分かれば良いので、どんな測り方でもOKです。
スマホ画面を定規で測ってもいいし、プリントして測っても良いです。
ここでは画像をCanvaに取り込んで、測定しようと思います。
Canvaを使わない方は、読み飛ばして下さい。
お手本ドアをCanvaで測定する方法
【素材】→【線と図形】→【すべて表示】→【両矢印を選択】と選択していきます。
取り込んだ画像の上に矢印が出てきます。
矢印を測定したい箇所に合わせてドラッグで引き伸ばすと、長さが表示されました。
矢印をダブルクリックすると文字入力できるので、長さを入力しましょう。
これを繰り返しましょう。
お手本ドアのデザイン比率が完成しました!
「縦の比率」と「横の比率」を出す
次は、お手本ドアと実物ドアの「縦の比率」と「横の比率」を求めます。
ここまでで分かった測定結果です。
実物ドア | お手本ドア | |
---|---|---|
縦 | 1797 | 645 |
横 | 595 | 271 |
この数字から、「縦の比率」と「横の比率」を計算しましょう。
「比率」は、「実物」÷「お手本」で計算します。
【縦の比率】=【実物ドアの 縦 】 ÷ 【お手本ドアの 縦 】
【横の比率】= 【実物ドアの 横 】 ÷ 【お手本ドアの 横 】
比率が計算できました!
実物ドア | お手本ドア | 比率 | |
---|---|---|---|
縦 | 1797 | 645 | 2.78 (1797÷645) |
横 | 595 | 271 | 2.19 (595÷271) |
つまり今回のドアでは、
縦の長さは、お手本の2.78倍になる。
横の長さは、お手本の2.19倍になる。
ということが分かりました。
寸法を出す
実際の寸法を出していきましょう。
ここでは、お手本ドア左下のモールディング部の寸法を出してみます。
お手本の【縦】:203 に、【縦の倍率】:2.78 を掛け、203×2.78=564mm と出ました。
横も同じように計算して、89×2.19=197mm となります。
お手本ドアで【203×89】だった装飾部は、
実物のドアに変換すると【564mm×197mm】のサイズになる事が分かりました。
慣れないと混乱しますが、実際に手を動かして計算すると意外と簡単です。
【補足】お手本の計測方法について
お手本の計測方法には、様々な方法が考えられます。
私は最初、スマホに表示された画像をプラ定規で測りました。。
色々試してみましたが、個人的にはCanvaのPC版をおすすめします。
図面作成
簡単な図面を作っておきましょう。もうホント、こんな感じで良いです。
この図面を頼りに、ドアに墨線を引きます。
3、サンディング(表面研磨)
ドア表面をサンディング(研磨)して塗装の下地を作ります。
装飾した後では研磨しにくいので、このタイミングでやっておきましょう。
写真に写っているランダムサンダーが超絶おすすめですが、サンドペーパーでも大丈夫です。
4、デザイン最終確認
デザインの最終確認をする為に、図面通りにマスキングテープを貼ります。マスキングテープがデザインの目印です。
お手本を自分のドア比に変換したので、デザイン比が変わりました。
実寸で確認して、デザインが許容できるものか最終確認します。今回は扉が縦長なので、デザインも縦に長く引き伸ばされています。
実寸がイメージしやすいので私はこの方法を取りましたが、もちろんノートに正確な図面を書いて確認してもOKです。
6、切り抜き
デザインに問題なければ、図面通りに切り抜きます。
図面通りに墨線を引き、切り抜きます。
カットの正確さで仕上がりが決まるのですが、それ以上に安全を優先して作業して下さい。
正確さ・効率・安全面を総合的に考え、自分に合ったツールで切り抜きましょう。
自分に合ったカット方法で。
正確さ: 丸鋸 > 手のこ > ジグソー
効率: ジグソー > 丸鋸 > 手のこ
安全面: 手のこ > ジグソー >丸鋸
(人によって順番前後する)
切り抜くと、ドアがフラッシュ構造(木枠にベニヤを貼ったハリボテ構造)になっていて、中が空洞である事に気付きます。面白いほどスカスカです。。
出てきた木枠は後で使うので取っておこう。
私の場合、ドア厚30mmで、骨組みが24〜25mmでした。
7、木枠を再構成する
空洞になった切断面に木材を挟み、木工ボンドで接着します。
挟んだ木材がモールディングの土台になります。
ここからは正確さを意識して作業しましょう。
ポイント
- カットした面にピッタリ合わせて接着する。
- 接着後はクランプでしっかり締め付ける。
- できるだけ隙間を作らない。
多くの場合、ここで問題が発生するでしょう。
そう、木枠が足りないのです。
先に取り出した木材も使えますが、圧倒的に足りません。装飾の面積が広いと切断面も増え、多くの木枠が必要になります。
ピッタリの厚みの木材を何とかして調達しなければなりません。作りましょう。
木枠に使う木材の作り方
- 合板を木工ボンドで貼り合わせて目的の厚みを作る
- 丸鋸で杉やSPFを目的の厚みにカットする など。
私の場合、木枠の厚みが24〜25mmだったので、12mm合板を木工ボンドで2枚張り合わせ、24mmにして使いました。合板には様々な厚みがあるので、組み合わせて狙った厚みの木枠を作りましょう。
この方法は厚みが正確に出るのでおすすめ。
8、装飾(モールディング)
モールディング材で装飾します。
ここからドアが一気に化けますよー。
カットした箇所にモールディングと合板を固定します。固定には木工用ボンドと釘を使用しました。
モールディングは、厚み12mm・幅24mmのものを、合板は持っていた10.5mm厚のものを使用しました。
モールディングの端は全て45度でカットし、直角になる様に付き合わせます。ノコギリを使うならマイターボックスなどを利用して45度にカットして下さい。
釘は念の為打ちましたが、必要なかったかも知れません。
木工用ボンドを塗った後は、クランプでしっかり圧着しておきましょう。
上図は扉の断面図です。構造と接着面を確認して下さい。
今回は扉の表面から2mmちょっとモールディングが飛び出すデザインにしました。
モールディングは扉表面より表に出すと、デザインに立体感が出てカッコ良く仕上がります。
接着面積が狭く不安定なので、位置合わせと固定に工夫が必要になります。
私は合板の下に丁度良い厚みの木材を置き、2mm厚の曲尺でモールディングの高さを確認しながら接着しました。
この方法で片面ずつ接着しましょう。両面同時に接着するのは難しいと思います。
モールディングを全て取り付けたところ。窓は塗装後に取り付けました。
ちなみに窓の下の装飾は、2種類のモールディングを長さを変えて重ね合わせ、下部のみ45度カットして作りました。私が選んだお手本にこの様な装飾があって、どうしても付けたかったのです。
こういうデザインを選ばない方が作業は楽になるでしょう。
さらに、合板の上から4mmのシナベニアを貼り付け、立体感を出しました。たまたま持ってたのでシナベニアですが、合板なら何でもOKです。サイズが合えば、百均の木材やMDFが良いですね。
8、塗装
プライマーはミッチャクロンを塗りました。
表面をサンディングしているので、塗らなくても大丈夫だったかも。
使い古した感じを出す為に、下地に白いペンキを塗り、上からグレーを塗ります。
白で塗ったところ。(白いペンキは1年前に20kg ¥5,900で購入した、ニッペ FOR PRO。おすすめです。)
一気に雰囲気が出てきました。塗ると変わりますねー。
もう元のドアの面影はありません。白が好みであればここでやめても充分な出来上がりでした。
上からグレーを2度塗りしたところ。
アンティーク風に仕上げたかったので、部分的に棒ヤスリで削り、下地の白を出しました。
ペンキはグラフィティペイント。色はドルフィンドリーム。評判が良いので使ってみたかったんです。
とても塗りやすく、色も気に入りました。
9、ドアノブ塗装
せっかくここまで頑張ったので、ドアノブもなんとかしたくなります。
そう、もともとのドアノブがダサい。。頭にくるほどダサい。これではドアがかわいそう。
本当は真鍮製のドアノブが欲しかったのですが、高すぎるのでNG。
それっぽく塗装してごまかすことにしました。
ドアノブ塗装は以下の手順で進めました。
ドアノブ塗装手順
- 塗装を剥がす
- 脱脂
- プライマー塗布
- ラッカースプレー塗装
- アイアンペイント塗装
- クリアラッカーで仕上げ
① 塗装を剥がす
サンドペーパーで研磨しました。番手は#180を使用。
予想以上に簡単に塗装が剥がせました。ちょっと研磨傷が着きましたが、ビンテージ塗装するので気にしません。
② 脱脂
脱脂(だっし、英語: degrease)とは、材料の表面に塗装する前に、塗料を弾く材料の表面の油分を取り除く表面処理である。(Wikipedia)
私はパーツクリーナーを使いました。中性洗剤で洗っても良いそうです。
③ プライマー塗布
プライマーを塗って塗料の下地を作ります。
ミッチャクロンスプレーを使いました。
④ ラッカースプレー塗装
ベースのゴールドを塗装します。
今回使ったのはこれ。
染めQ のメッキ感覚。Amazonのレビューで評価が高かったので。
使ってみて分かったのが、「不自然なほどキレイな金色」に仕上がるという事。。
これを使うときは、上から汚し加工をするのが前提かなぁ。ベースとして使うには良いと感じました。
⑤ アイアンペイント塗装
今回のために揃えたアイアンペイント。
2色以上使うと、雰囲気が出ます。
アイアンペイントは難しいですね。もろにセンスとか経験が出ます。。
何度か失敗して、少しコツを掴みました。
上手く塗るコツ
- スポンジで叩くように塗る
- 「少しずつ、まばらに」を繰り返す
- 最低2色以上を使う
⑥ クリアラッカー塗装(仕上げ)
最上層の塗膜がアイアンペイントだと剥がれやすいので、クリアのラッカースプレーで表面を保護します。
今回はドアノブなので、常に人の手に触れます。塗っておきましょう。
ドアノブ完成
今回は2通りの塗装を試しました。
左【ミッチャクロン】→【染めQ メッキ感覚】→【アイアンペイント】→【クリアラッカー】
右【ミッチャクロン】→【アイアンペイント】→【クリアラッカー】
【染めQ メッキ感覚】を使った方は「ゴールドが腐食した感」が出ました。
【アイアンペイント】の方は、ちょっと塗りすぎて、「ハードに経年劣化した金属」になりました。
個人的には左が好みですが、右の方が評判が良かったです。
窓の取り付け
窓は中空ポリカを使いました。
ガラス加工は怖いのでNG。アクリルは見た目が安っぽいから嫌。
中空ポリカは加工しやすく、見た目も悪くない。割れない。保温性抜群。言うことなし!
「クリア」と「クリアフロスト」
ここでひとつ失敗しました。
トイレのドアなのに「ツインカーボ クリア」という透明のスケスケ窓を注文してしまった。
取り付け前に気付き、「クリアフロスト」というちょっと曇ったタイプを再度購入。。
そもそもトイレのドアだから、窓は必要なかったかもしれない。。
厚みの違い=モールディングはみ出し量の違い
窓の取り付けでも問題発生。
ドア下半分は10.5mm合板をモールディングで挟んだだけです。
寸法上、ドア表面から2mmちょっとモールディングが飛び出します。
これが狙ったデザインでした。
ところが中空ポリカは4.5mm厚なので、直接モールディングで挟むと、モールディングがドア表面より奥に引っ込んでしまいます。。これでは立体感が出ません。
面倒ですが、モールディング裏に3mm合板を貼り付け、モールディングを15mm厚にしました。
これでモールディングがドア表面から2mmちょっと飛び出すようになり、問題解決!
モールディングに貼り付けた合板も塗装すれば全く目立ちません。
完成!
中空ポリカとドアノブを取り付けました。完成です!
まとめ的な
ドアをリメイクするなんて難しそうに思えます。
やってみると想像の3倍くらい簡単で、楽しくて、あっという間に終わっていました。
ドアリメイクには大きなメリットがある。
リメイクだと結構メリットがあるんです。
1つめ!
リメイクなので材料が節約できる!
お財布にも環境にも優しい!
2つめ!
建て付けの心配がいらない!
素人がゼロから作ったドアなんて、きちんと閉まるかすら怪しい。リメイクなら、ドア枠はいじってないので絶対にハマる。
3つめ!
適度な難易度とおしゃれな仕上がり!
作るのも楽しいし、完成した時の達成感もすごい!
上手に作れば長く使われて、本当のビンテージになります。
ドアリメイクは、かなりおすすめなDIYです。ぜひやってみて下さい。
それではまた次のDIYでお会いしましょう!
最後まで読んでくれてありがとう!
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